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『情熱。青春。そして愛。』 2000年12月31日。P.M.7:30。 ボクとダイの2ヶ月間の血と汗と涙と笑いの集大成ザ・チキュウカフェ、ダイ抜きのままついにプレオープン。 注文毎にミルクを温めるトコから始めるため、カフェオレ1杯作るのに4分もかかっちゃうエセ・ホンモノ志向のオーダーシステムの致命的な欠陥は、完全にヒロキの関西弁トーク頼みの見切り発車。 良く言えば、名付けてウルトラ・アットホーム・カフェ。 『客と店員が5分近くもトークする店なんてなかなか無いハズ! コミュニケーション不足の現代社会に一石を投じるぜ!』 なんて、社会派ポジティブ思考で特盛りサイズの不安を一掃すると、カウンターをヒロキに任せキッチンへ。 ちなみに、この日のメニューはマダガスカル風カフェオレの他に、カフェオレの中にマイヤーズラムを入れたポルトガル風カフェオレの2種類。 キッチンに着くと、ジャストタイミングでストームトゥルーパー型のトランシーバーからのノイジー・ヴォイス。 『……ガガッ。ガガッ。カフェオレ1ケ注文入りました。ガガガッ…。』 『早っ!!!』プレオープンまで扱ぎ付けた感動に浸るヒマも無く、カフェオレ作りスタート。 「コレがついにチキュウカフェの記念すべき一杯目のカフェオレ。誰が頼んでくれたのかなぁ…。」 なんて、期待と不安に胸をドキドキさせながら、ミルクパンにミルクを注いでいると、再度ストームトゥルーパーがトーキング。 『…ガガガッ。ちなみに注文したのはトシちゃんやでぇ…ガッ。』 ガックシ、トホホ…。 チキュウカフェの初オーダーは、カワイコちゃんでも、ボインちゃんでも、キャメロン・ディアス様でも、ヒゲを生やしたグルメ評論家でも、横浜ウォーカーの記者でもなく、愛すべきマイ・ブラザー。 ナローなテンションになりつつ、記念すべき一杯目のカフェオレを作り始めると、またまた手元のトゥルーパーから続け様にノイズ。 『…ガガッ。カフェオレ6杯追加。友達ぎょうさん来たで。…ガッ。』 『…ガッ。さらに1杯追加。またまた友達来たで。…ガッガッ。』 『…ガッガッ。あと2杯追加ねー。また友達みたいやで。…ガッ。』 嗚呼、友よ!なにはともあれ、持つべきものは友。コレ定説。 感涙にむせび泣くヒマも無く、ストームトゥルーパーからは次々にオーダーのノイズ。 『ガッ…カフェオレ2杯。今度はホンマのお客さん。』 『…ガガッ…また4人来たで〜。ガッ…』 『…ンガッ…カフェオレ2杯追加でどーぞよろしく。ガガ…』 つ、ついに友達以外のお客さんが…。なんて感慨にふけってる間もなく、 ガッシュガッシュ。コォーッ。ザザッ。カチャカチャン。 キッチンは既に戦場。ボクの腕は千手観音。床の上はミルクまみれ。 キッチンにミルクとコーヒー豆のマシンガンが飛び交う中、カウンターからやって来た運び屋のりえちゃんから手渡された数枚のチェキ・フォト。 そこには、ちょっとすました満面の笑みで美女2人と一緒に映ってるヒロキ(チキュウカフェ一日店長)。 美女2人に囲まれて、少しだけ照れた雰囲気を醸し出しながらニヤニヤ笑うコータロー(マイ・フレンド)。 2人の美女の間の大袈裟なガハハ笑いで、口の中までバッチリ映っちゃってるアイヤマ(マイ・フレンド)。 そしてチェキ写真の欄外には『高知出身美人姉妹』の8文字……。 ムキーッ!カウンター楽しそう〜っ!ズリィ〜ッ!!! どーせカウンターじゃお客さんに待ってて貰う間、一緒にチェキ撮ったりして楽しくやってんだろ?そうだろ?そうなんだろ?チェキなんか撮っちゃったら話も盛り上がるわ。そりゃー楽しいだろうさ。楽しくないなんてウソだ。そんな気を使わなくていいんですよ。建前なんてどーでもいいよ。本音トークが基本じゃんか。あ〜そうだよ。どうせアフリカン・カフェオレを作れるのはオレしかいないよ。オレが勝手に考えたんだもん。オレがキッチンやらなきゃ誰がやる?そんなコトわかってんだよ。でもさ、こう神様っていうのはもしかしたら居たりするワケじゃん。努力っていうのは報われても良かったりするワケじゃん。ね。ね。その辺どう思うのよ。オレの21世紀っていうのはキッチンで迎えちゃっていいワケ?今まさに世紀をまたごうとしてるワケですよ。どこまでも続く一本の真っ直ぐな線路。分かる?この風景。キッチンでこんな風景頭に浮かんだコトある?そこはアメリカですよ。アメリカ大陸。しかもミシシッピー鉄道。えっ?!そんな鉄道あるのかって?知らないよ。そんなの。細かいコト気にすんなよ。ニュアンスだよ。ニュアンス。裏なんていちいち取ってないっつーの。そんなコトより今は高知だろ?かの広末涼子の出身地。3000点のはらたいらも高知出身。見てた?クイズダービー。いいよな。大橋巨泉の生活。オレもケベックとか伊豆で隠居したいよ。こうさ、のんびり時が過ぎるっつーの?今流行りの癒し系だよ。癒し系。ザ・ヒーリング・ライフ…ハッ?!もしかして、コレって夢?夢じゃないの?夢でいいじゃん!なんで夢じゃないんだよぉ〜(涙) 『はぁ…。』 胸に込み上げる思いと、脳裏に浮かぶ風景を青い溜息ひとつで表現すると、トボトボとキッチン台へ。 鉛の腕。鎖に繋がれた足。息苦しい呼吸。ザ・ディープ・ブルー。 そんなボクの思いとはうらはらに、カフェオレの売れ行きは中畑ばりの絶好調! オープン後、わずか2時間で用意した松井ホームラン王記念の55杯も完売目前。 ジェットコースターばりの乱高下を繰り返してたボクのテンションも、55杯分のバリ産のコーヒー豆を入れた袋も重さに反比例して、徐々にヒートアップ。そして…。 5・4・3・2・1………ゼロ! 祝!チキュウカフェ・プレオープン。55杯完売! おまけに2時間で完売のワールドレコード樹立! クィーンのウィー・アー・ザ・チャンピオンが鳴り響くアタマのまま、ポケットから携帯を取り出すと早速ダイへ電話で報告。 プルルルル、プルルルル、プルルルル。ガチャッ。 『ダイ!やったぞ!55杯あっとゆー間に完売!2時間だぞ!たった2時間!』 『ゴメン。わりーけど、今紅白いいトコだから、後にしてくんない?』 『………。』 『………。』 20世紀最後の日。これでいいのか?チキュウカフェ。ミシシッピーの夕陽は赤い。 チキュウカフェ チキュウカフェの営業日は気まぐれです。ある晴れた日の昼下がりなんかに突然オープンします。オープン日が事前に決まった場合には、ココで告知するので、チェキラってコトで。なお、チキュウカフェのオープンの場所は毎回固定。下の地図を参照してくださいまし。 ![]() |



