〜 カフェオレ屋台奮戦記 〜



風雲編:エピソード8 「屋台制作 その3」


がくしゅう 【学習】
 
(2)〔生〕 生後の反復した経験によって、個々の個体の行動に環境に対して適応した変化が現れる過程。ヒトでは社会的生活に関与するほとんどすべての行動がこれによって習得される。 (大辞林 第二版より抜粋)
 

…ムクッ……ゴシゴシ……………ガチャン!!!
『なにぃ〜っ!また、2時じゃねぇか!!!!!』
前週に引き続き、枕元に置いた時計が示す『2時』って時間を見て飛び起きたボクは、 トーストを口にくわえて走る勢いでモーニング・ダッシュをかましながらダイに電話。
 
「おい!今2時だぜ!朝電話してくれって頼んだじゃん!」
「おいおい!アニィが電話するって言ってたんじゃん!」
「あ〜だら、こ〜だら。」
「う〜だら、か〜だら。」
 
なんて、責任転嫁の不毛な議論を続けながら、ボクは中島悟ばりのドライビングでダイの家へ。
この日は、部材購入→屋台制作→CS第2戦観戦→大勝利→祝杯→ドンチャン騒ぎ
という緻密かつ繊細なスケジュール。
そう、今日は時間がナッシング!!寝坊は最大の敵!
 
そして車でダイを拾うと、これまた前週の失敗にメゲず、先週と同じ大型日曜大工店に向かったボクらは、化粧板張りのコンパネ(1800mm×900mm)を後先考えずに購入。
当然、そんな巨大なモノが、小型乗用車に積めるワケ無いハズなのに、『寝坊』という失敗を取り返そうと、テンションをレッドゾーンまで上げたボクらは、「アチョ〜ッ!」なんて謎のかけ声と共に、コンパネを居住空間を無視して車に無理矢理押し込むと、中国雑技団顔負けの体勢で車に乗り込み爆裂猛スピードで自宅へ。
自宅へ着いても、CSを控えてテンションの高揚を抑えきれないボクらは、何故か出来たての 「オカヤマガ行ク!」オリジナルTシャツを着込み、ものスゴイ勢いで作業に没頭。
先週のミスをこ〜んな感じで取り戻すと、ようやくカウンターらしきモノの外形が。


時計を見るとこの時点で午後5時半。『ヤバいって!試合に間に合わねぇぞ!!』
慌てて作業を終了したボクらは、そのまま国立競技場へロケット・スタート。
しか〜し、試合開始15分前に国立競技場前に到着したにもかかわらず、 予想通り空いてる駐車場が見つからず、周辺をグルグル回るハメに。
試合開始時刻を過ぎ、「うわ〜、ドコも空いてないじゃん。コリャ、後半見れれば御の字だな。」なんてネガティブ・モードに突入したボクらの目の前を駐車場から出て行く車が!
『空いた!』ユニゾンで絶叫すると、慌てて砂漠の中のオアシスへと車を駐車。
駐車場を出たボクらは、ポチッと底を押すと熱燗になるトンチの効いた日本酒を片手に、 国立に向かってベンジョンソンばりのドーピング・ダッシュ。
そして、試合開始時刻に15分遅れてようやく国立競技場に到着。
「いや〜、やっぱり12月の国立は寒いねぇ。」なんて悠々と試合を観戦し始めたボクらだが、 試合が進むにつれて顔から笑顔は消え、気付いた時にはメインスタンドなのに立ち上がって、 大声で声援を送っていた。むしろ悲鳴だったかも…
結果は、残念ながら我らが横浜Fマリノスが鹿島アントラーズに敗れ、
2000年Jリーグチャンピオンの称号を手にすることは出来なかった…
呆然と立ち尽くすボクとダイ。
その目の先には、サポーターに1人で頭を下げてまわるカズの姿が…
こぼれ落ちそうになる涙を、上を向いてかろうじて目の中に押し込めながらスタジアムを 後にしたボクらは、肩をガックリと落としてトボトボと帰路へ。
 
「………。」
「………。」
「……負けちゃったね。」
「……うん。」
「……こういう結果になると、遅刻した15分とか、やっぱ後悔するよね…」
「……うん。」
「…明日からさ、時間に厳しく生きようぜ。時間は取り戻せないんだよ…」
「……うん。」

 
そして、翌週末……
 
…ムクッ……ゴシゴシ……………ガチャン!!!
『ノォ─────ッ!もう、4時じゃねぇか!!!!』
 
学習能力まるでゼロ!カフェオレ屋台に明日はあるのか?!






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